Anima


世界に出現の Anima
HK

アニマレスキュー  Anima Rescue

 自然は私たちに語りかけます。しかし、私たちはまだその声を聞く耳を持っているでしょうか? 少なくとも、ふたつの消滅(死)が存在し、ふた通りの絶滅があります。ひとつは、実質地球上に存在しないもの、もうひとつはそこにあっても無視され目の前にあっても見えない存在のものです。それは、過去に実在したものとして認知していても、自然の本質のほんの輪郭ですら忘れ去られ、もはやその記憶に言及することもなくなってしまったのではないでしょうか。生きながらの死。自然そのものを必要とする感知能力を失うことで引き起こされた死滅。驚きを感じ取ることができた幼少期の無邪気な感覚の喪失と同様に神聖さや神秘性を失った、自然との対話。アニマ*は失われた伝統すべての象徴であり、もはや不要とされるようになったものすべての魂の導き役なのでしょう。

 アニマは、模索するすべての人々に、求める必要のないものを追求することをやめさせ、見ようとさえすれば見えること、それがいつもそこにあることへの気づきの大切さを提唱しているのです。木は木材として燃されるだけでなく、また土地は建物を建設する機会を与えるだけではないように利益追求のみならず何かほかの物事を示唆している事を察する事が出来る人、例えるならばそれはあるサインのように、あたかも象形文字を解釈するかのように、芸術がこの真実を具現化しそれを認識しうる人たちのために『アニマ救命』はあるのです。アニマを救うということは、残酷ともいえるシンプルさで感傷なしには再認識することのない忘却との接触を再構築することを意味します。Tat Tvam Asi** つまり、それはあなた自身の救命なのです。あなたがいるところにそれはあって、他の場所にいればその場所にいる、あなたはまったく同一のものなのです。

 

ルチアーノ・ブロージ

OGN, SAT 主宰

コンメディア・デラルテ (イタリア古典喜劇)の担い手を初結集させCommedia dell'Arte DAY の世界展開を実現させた発起人、会長

 

 

アニマ* ANIMA: 空想動物アニマ。イタリア語でアニマとは魂の意味をもちます。

Tat Tvam Asi** 梵我一如(ぼんがいちにょ)

梵(ブラフマン:宇宙を支配する原理)と我(アートマン:個人を支配する原理)が同一であること、

または、これらが同一であることを知ることにより、永遠の至福に到達しようとする思想。古代インド

におけるヴェーダの究極の悟りとされる。不二一元論。ー Wikipedia より

「Tat Tvam Asi(タットヴァマシー)」和訳すると「あなたは、それである。」という意味で、「それ」

とは「神」のことです。つまり、「あなたは、神である。」という意味になります。

HK

アニミズムの国、にっぽん。その精神とトスカーナの自然が融合され、人と超越された時空界との橋渡し役、メッセンジャーとなるべくして私の手から生みだされた空想動物アニマ。

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アニマを通して大地讚賞や自然回帰を具現化し、宗教観を超え広く問いかけていきたいという思いからスタートしたのがこのプロジェクト、ANIMA Project です。

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 私は長野県に生まれ育ちました。縄文時代から続く、諏訪の大地のパワーをたっぷり受けながら、山 川 湖で、庭で畑で自然と戯れ遊びながら幼少時代を過ごしているなかで、いつの間にやら私の心に入り込み、傍らに現れるようになっていた、目には見えないけれど感じることができる、精霊のような存在たちがいました。


 大地讚賞、自然礼讃、自然回帰。作家活動を始めてから常に根底に流れていたこれらのテーマは幼い頃から変わりません。大切なライフワークになったのは必然のことでした。それが年月を経て熟成され、私なりの思いがカタチになり現れたもののひとつがアニマでした。


 アニマ誕生のきっかけは2015 年早春、イタリア、トリノ動物園での空想動物コンペ* 参加。募集を知った時に目に飛び込むように私の脳裏を過った動物がアニマだったのです。当時制作したアニマは、園内設置が目的で、高さ2メートル。人がまがることの出来る大作でした。その大きさはテラコッタ製にしてはかなり無謀なサイズで稀なものでした。そのため、実際に大きなトラブルが起き、結果、素材に精通するイタリアの職人さんや友人彫刻家らに支えられながら完成、そこで素敵なエピソードもたくさん生まれました。


 制作も完成間近となり全容が現れてきたある日のことでした。おかしな話しですが、制作者の私がその自作彫刻アニマを目の前に、自分自身が心を強く揺さぶられたのでした。あたかも私がアニマに呼ばれてアニマの前に立つことになったかような、そんな錯覚を覚えたのでした。いつもにはない特別な気持ちを覚えた作品でしたが、皮肉にも喜ばしくもこのコンペでアニマが大賞受賞、作品買取りに。アニマがそのままトリノに残ることになったのです。すでに強い愛着を感じていただけにそのときの落胆は大きかったです。


 それから1 年。自分自身アニマを身近に感じたいというシンプルな想いと、より多くの人たちに、アニマのような存在を共感してもらうにはどうしたらいいのだろうか、と、考えるようになりました。素材やサイズなど試行錯誤を経て現在のブロンズ製ア二マが誕生しました。「大作はそれなりのインパクトもあるけど、これならポケットに入れて一緒に旅だって出来る。」どこかふざけ半分、けれど、このしっくり手に収まる日本的な手のひらサイズ**でアニマを再び世に出すことに決めました。

 

 恵みも脅威も与える自然、人間には及ばぬ神聖なるちから。自然への敬意と調和への願い。日本人は信仰の原点として、今なお、古来縄文時代より、万物には精霊が宿るという自然崇拝、精霊崇拝のアニミズム精神を持ち、その後の多神教である神道、八百万の神の世界観、そして仏教とも共存するという複数の宗教をおおらかに取り入れてきた世界でも稀な国民です。

 

 中国を始めとする東アジアや東南アジア諸国などもこの宗教観はまだあるようですが、もとはアニミズムを信仰していた多くの他の国であっても、土着信仰から遠のき一神教となった、例えば欧米諸国の人々には、今となっては時に理解しがたいものとされているようです。

 

 イタリア語で『魂』の意味を持つアニマ。

 

 この空想動物アニマには、本来人間が持っていた感覚や生き方そのものを呼び覚ましてくれるような、人間界と向こう側を繋ぐ媒介役であって欲しいのです。なぜならこうしてカタチにし手に取り身近に感じられることで、自然を意識し自然にもっと近づけるような気がしてならないからです。

 

 魂を冥界に導くサイコポンプ(英語表記 psychopomp )は言わばメッセンジャー。それに対する同義語として日本には『審神者(さにわ)』と呼ばれる言葉があります。そして例えば日本人にも馴染みが深い空想動物のひとつに麒麟がいます。仙人が現れる予兆として仙人出現を知らせる、まさしくメッセンジャー。世界中、古来プリミティヴな宗教をたどれば、もとは人間の考えることは大して変わらないものなのです。

 

 アニマはそんな存在が見え隠れする感覚を持つ人、そうでなくともシンプルに自然をこよなく愛するすべての人たちにとって、傍らに寄り添える存在になってくれればと願うものです。アニマとはそんな同義語であって欲しいのです。

 

 アニマは私たち一人ひとりの傍にきっと潜んでいるはず。隣にアニマがいても欲していない人には見えないでしょう。そして「会いたい」と思う人の前にはもうそこにアニマはいるのです。

 

 アニマを通して自然回帰への想いを共感そして共鳴できる方々との出逢いを求め、空想動物アニマ『ANIMA Project 』を広く発表していきたいと思います。

 

2017 年9 月

 

熊澤華子

 

コンペ* Zoom Torino, ZOOMaginario 2015 www.zoomtorino.it/

手のひらサイズ** 根付けを代表とする彫刻や伝統細工工芸など

 

 

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Anima Project

アニマプロジェクト 

~ 空想動物アニマを世界に広げよう ~

 * 

参加方法

作品アニマを持っている方、アニマに惹かれ、共感して下さったすべての方
空想動物ANIMAのプロジェクトにご参加下さい。

1.口から口へ ANIMA
空想動物アニマの話をして、その世界を語り合ってください。

2.一緒に写真でANIMA
アニマと一緒に写真を撮ってください。

3.インターネットでシェアANIMA 
(写真公開許可の同意とみなすことをご了承ください)
あなたとアニマの写真をFacebookとInstagramなどのソーシャルネットワークサービス、そして、Hanako Kumazawaのウェブサイト(www.kumazawa.it)内 Anima Mapに搭載して、共有しましょう。

4.あなたのハシュタグで拡散ANIMA

アニマを迎え入れてくださった方は、世界中の様々な場所やシーンでアニマと一緒に撮った写真をInstagramで公開してください。

#animaproject #animastagram #animamap #tripwithanima #staywithanima #anima or #hanakokumazawa #ぶらぶらアニマ #アニマ  などなど…タグを付けて搭載してください。

アニマ図鑑

名前: ANIMA

 

種: Animafelis Cervus

属: Animafelis

科: Animafelidae

目: Animafectyla

綱: Animalia

身体的特徴:

・鹿のように動き、長い耳をした猫の顔を持つ。密に生えた毛と短い尾、太くてしっかりした四肢で、たっぷりとした体格ながらも、野うさぎのように信じられないほどの速さで森を駆け抜ける。

・鹿のような角を持つが、その形状は個体により違い、多種多様である。

・体の大きさは無限大。状況に応じて自由自在に変化させることができる。

生息地:

・自然と精霊が共にある深い山々や渓谷、手付かずの自然の中に住む。

食性:

・ポジティヴとネガティヴ、両方のエネルギーともに、過剰なエネルギーを糧とする。

年齢と寿命:

・不老不死。自然界に起こる不均衡にアニマ自身が毒されない限り、生き続ける。

性質:

・アニマは感情を見せることはない。その性質は終始穏やかで、怒りの報復も喜びの躍動も感情としては動かさない。だが時に、アニマは相手の魂に浸透して導く。自然と介入して過剰を取り去り、不足には与える。

・アニマの本質は眼差しと癒しである。自然と同じように。

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